固定部の改良により、動作感が格段に向上した新型遺物型取器(マコ)ですが、この結果、測定部(竹ひご)のアラが目立つようなりましたので、今回はこの部分を改良しました。
当初は、固定部同様に素材を変えるアプローチを考えていまして、試験的に極小のヒノキ角材を取り付けてみたのですが、これまで竹ひごで絶妙な動作感だったところに角材では抵抗が大きくなりすぎてスムーズな動作が失われることがわかりました。また、手芸造花用のワイヤがよいのでは?というご意見を頂きましたのでホームセンターに調査に行ったのですが、切断面が鋭利な金属むき出しになるので先端部に遺物を保護する処理を施す必要がありそうで、これも大変そうだなあ~ということで断念。
というわけで、素材は竹ひごのままに、精度を上げる方法を考えることにしました。
そこで、竹ひごをよ~く観察すると、その歪みに一定の法則性があることに気が付きました。
写真のように、まっすぐの竹ひごが急に曲がり始めるポイントがあって、ここはよく見ると殆どで竹の「節」部分なのです。逆に言えば、節以外は殆どまっすぐで、この部分を避けて使えば歪みは大幅に減らせそうです。
まず、竹ひごの全長を30cmから20cm程度に縮めることにしました。これは、短くすることで歪みの拡大を抑えるというのもあるのですが、節を避けながら有用な部分のみ切断するには短い方が遥かに歩留まりがよいのです。
ちなみに、竹ひごは90cmの長さで市販されているもので、これまでは単純に3分割してそのまま使用していました。
従来の竹ひごから更に節部分を切断して再利用できるか吟味してみると、使えそうなのは半分強程度(約100本)で、もう半分は新たに竹ひごを用意して節を避けながら切り出すことになりました。
これが従来のもの。
節を避けて切断したものが、これ。
綺麗に揃うようになりました。また、先端部も尖らせてみました。
全体比較。「旧」竹ひご使用のもの。
「新」竹ひご。竹ひごの隙間が均一になりました。
斜めから。水平面の誤差は±2mm程度に収まりました。
ちなみに、固定部を横から見るとこんな感じです。
計184本の竹ひごを吟味して加工するのは大変でしたが、地道な作業で高精度の固定部にふさわしい測定部を作ることができました。
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https://bingo-history.net/archives/5419https://bingo-history.net/wp-content/uploads/2012/09/0f5c1a080c9cc5b1a2719b217a85f0082.jpghttps://bingo-history.net/wp-content/uploads/2012/09/0f5c1a080c9cc5b1a2719b217a85f0082-150x100.jpg管理人事務局だより固定部の改良により、動作感が格段に向上した新型遺物型取器(マコ)ですが、この結果、測定部(竹ひご)のアラが目立つようなりましたので、今回はこの部分を改良しました。 当初は、固定部同様に素材を変えるアプローチを考えていまして、試験的に極小のヒノキ角材を取り付けてみたのですが、これまで竹ひごで絶妙な動作感だったところに角材では抵抗が大きくなりすぎてスムーズな動作が失われることがわかりました。また、手芸造花用のワイヤがよいのでは?というご意見を頂きましたのでホームセンターに調査に行ったのですが、切断面が鋭利な金属むき出しになるので先端部に遺物を保護する処理を施す必要がありそうで、これも大変そうだなあ~ということで断念。 というわけで、素材は竹ひごのままに、精度を上げる方法を考えることにしました。 そこで、竹ひごをよ~く観察すると、その歪みに一定の法則性があることに気が付きました。 写真のように、まっすぐの竹ひごが急に曲がり始めるポイントがあって、ここはよく見ると殆どで竹の「節」部分なのです。逆に言えば、節以外は殆どまっすぐで、この部分を避けて使えば歪みは大幅に減らせそうです。
まず、竹ひごの全長を30cmから20cm程度に縮めることにしました。これは、短くすることで歪みの拡大を抑えるというのもあるのですが、節を避けながら有用な部分のみ切断するには短い方が遥かに歩留まりがよいのです。 ちなみに、竹ひごは90cmの長さで市販されているもので、これまでは単純に3分割してそのまま使用していました。 従来の竹ひごから更に節部分を切断して再利用できるか吟味してみると、使えそうなのは半分強程度(約100本)で、もう半分は新たに竹ひごを用意して節を避けながら切り出すことになりました。 これが従来のもの。 節を避けて切断したものが、これ。
綺麗に揃うようになりました。また、先端部も尖らせてみました。 全体比較。「旧」竹ひご使用のもの。 「新」竹ひご。竹ひごの隙間が均一になりました。 斜めから。水平面の誤差は±2mm程度に収まりました。 ちなみに、固定部を横から見るとこんな感じです。
計184本の竹ひごを吟味して加工するのは大変でしたが、地道な作業で高精度の固定部にふさわしい測定部を作ることができました。 <関連記事>
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【自作】遺物型取器:真弧(マコ)の新型が完成しました~管理人 tanaka@pop06.odn.ne.jpAdministrator備陽史探訪の会