佐藤亜聖氏講演会事前調査【報告】6月24日

前日に引き続き、佐藤亜聖氏に中世石造物をご案内。昨日(23日)は福山市北部(新市町~山野町)でしたが、本日は福山市西部~尾道市です。

2012年6月24日(日曜日)
9時に草戸町明王院に集合します。
明王院


明王院境内の層塔。通常は非公開の場所ですが、本日は特別に許可を頂き見学させて頂きました。
明王院層塔

明王院境内の層塔その2
明王院層塔その2

続いて明王院裏手の石造物群
明王院裏石造物群

多数の石造物群が集められています。
明王院裏石造物2

沼隈方面に移動し熊野町の金持観音堂に着きました。
金持観音堂

観音堂裏にある伝宮氏一族宝筐印塔
伝宮氏一族宝筐印塔

佐藤氏によるとこの宝筐印塔の様式は伝承にある宮近門より古いものであるとのこと…
伝宮近門墓

次に金江町にある実蔵坊の宝筐印塔(市重文)を見ます。
実蔵坊宝筐印塔

2つの宝筐印塔がお堂の脇に並べられています。
実蔵坊宝筐印塔拡大

閑話休題。実蔵坊にはかわいいネコちゃんたちがいました。
ネコ

実蔵坊から歩いて数分の山中にある宝筐印塔。今の時期の竹やぶですので、蚊に襲われながらの調査です。
実蔵坊近くの宝筐印塔

山中の宝筐印塔から実蔵坊まで戻る途中で佐藤氏は地蔵に注目されます。この地蔵も中世のものであるとのこと。何気に通り過ぎてしまいそうなところですが、プロの目は違います!
金江町の地蔵

沼隈半島から松永町に出て高諸神社の宝筐印塔を見学します。
高諸神社宝筐印塔

ここから尾道市‎に入り西藤町の万福寺‎へと向かいます。
万福寺

万福寺裏の宝篋印塔。
万福寺宝筐印塔

宝篋印塔から更に奥の墓地には中世石造物の残片が多数あります。
万福寺裏石造物残片

万福寺から尾道市街に向かいます。途中のレストランで食事を済ませてから、いよいよ名刹浄土寺へ。途中にはこんな塔が。これも中世の石塔。
浄土寺前石塔

国宝の伽藍をよそに(笑)石造物を探します。
浄土寺伽藍

伝足利尊氏の墓
伝足利尊氏墓

1200年台と思われる近隣ではズバ抜けて古い石塔(納経塔)。流石、浄土寺は石造物も別格です。
納経塔


西国寺の境内に立派な層塔があります。しかし、この層塔はわざと古風に作成した近代のものであるとのこと。作成者は層塔のことをかなり「わかってる」のだそうです。
西国寺境内層塔

浄土寺から谷を挟んだ西国寺の五輪塔。すごく・・・大きいです。ですが、入場許可がないため残念ながら敷地外からの見学となりました。
西国寺石塔

西国寺のある山から降りて福禅寺に行きます。境内の墓地に巨大な五輪塔がありました。
福禅寺五輪塔

福禅寺の調査を終えて尾道市から福山市へと戻り、赤坂町の八幡神社近くの山中にある宝筐印塔に行きます。なお、この宝筐印塔の案内には基礎の四面に格狭間が掘られていると書かれていますが、写真の通りどう見ても1面は掘っていませんので、3面です。ここでも蚊に襲われます。
八幡神社宝筐印塔

そして、同赤坂町内「イコーカ山古墳」の宝筐印塔です。こちらの案内には足利義昭の供養塔…と書かれていますが、様式の年代はそれより明らかに古いとのことでした。ここでも蚊が…
イコーカ山宝筐印塔

次にやはり赤坂町の艮(うしとら)神社裏山の宝篋印塔を訪れます。ところが、笹が生い茂り道なき道を進むことになりました。
艮神社宝筐印塔

藪の中には当然蚊が…しかしそんな中を調査します。相輪部分はバランスが明らかに不自然です。どうも近年にモルタルで整形されたようです。
艮神社宝筐印塔

最後に瀬戸町長和の石造物です。上部は後年の作ですが、基礎部は五輪塔の地輪です。これと隣の地蔵も中世のものだそうです。
長和の地輪

以上で2日間の調査は終了です。2日目(24日)の天気は曇のち雨の予報でしたが、ちょうど調査終了と同時に降り始めるというギリギリセーフ。佐藤亜聖氏にはハードなスケジュールと過酷な環境の中での調査ありがとうございました!

<スケジュール>
09:00 明王院層塔
09:40 熊野町宮氏一族宝筐印塔
10:20 金江町実蔵坊宝筐印塔
11:20 松永町高諸神社宝筐印塔
11:30 西藤町万福寺宝筐印塔
12:30 (昼食)
13:30 浄土寺石塔
14:00 西国寺石塔
14:20 福禅寺持倉氏石塔
15:20 赤坂八幡神社宝筐印塔
15:40 イコーカ山宝筐印塔
16:10 艮神社宝筐印塔
16:30 瀬戸町長和石造物
17:30 福山駅前着

https://bingo-history.net/wp-content/uploads/2012/06/IMG_0417-1024x768.jpghttps://bingo-history.net/wp-content/uploads/2012/06/IMG_0417-150x100.jpg管理人事務局だより調査前日に引き続き、佐藤亜聖氏に中世石造物をご案内。昨日(23日)は福山市北部(新市町~山野町)でしたが、本日は福山市西部~尾道市です。 2012年6月24日(日曜日) 9時に草戸町明王院に集合します。 明王院境内の層塔。通常は非公開の場所ですが、本日は特別に許可を頂き見学させて頂きました。 明王院境内の層塔その2 続いて明王院裏手の石造物群 多数の石造物群が集められています。 沼隈方面に移動し熊野町の金持観音堂に着きました。 観音堂裏にある伝宮氏一族宝筐印塔 佐藤氏によるとこの宝筐印塔の様式は伝承にある宮近門より古いものであるとのこと… 次に金江町にある実蔵坊の宝筐印塔(市重文)を見ます。 2つの宝筐印塔がお堂の脇に並べられています。 閑話休題。実蔵坊にはかわいいネコちゃんたちがいました。 実蔵坊から歩いて数分の山中にある宝筐印塔。今の時期の竹やぶですので、蚊に襲われながらの調査です。 山中の宝筐印塔から実蔵坊まで戻る途中で佐藤氏は地蔵に注目されます。この地蔵も中世のものであるとのこと。何気に通り過ぎてしまいそうなところですが、プロの目は違います! 沼隈半島から松永町に出て高諸神社の宝筐印塔を見学します。 ここから尾道市‎に入り西藤町の万福寺‎へと向かいます。 万福寺裏の宝篋印塔。 宝篋印塔から更に奥の墓地には中世石造物の残片が多数あります。 万福寺から尾道市街に向かいます。途中のレストランで食事を済ませてから、いよいよ名刹浄土寺へ。途中にはこんな塔が。これも中世の石塔。 国宝の伽藍をよそに(笑)石造物を探します。 伝足利尊氏の墓 1200年台と思われる近隣ではズバ抜けて古い石塔(納経塔)。流石、浄土寺は石造物も別格です。 西国寺の境内に立派な層塔があります。しかし、この層塔はわざと古風に作成した近代のものであるとのこと。作成者は層塔のことをかなり「わかってる」のだそうです。 浄土寺から谷を挟んだ西国寺の五輪塔。すごく・・・大きいです。ですが、入場許可がないため残念ながら敷地外からの見学となりました。 西国寺のある山から降りて福禅寺に行きます。境内の墓地に巨大な五輪塔がありました。 福禅寺の調査を終えて尾道市から福山市へと戻り、赤坂町の八幡神社近くの山中にある宝筐印塔に行きます。なお、この宝筐印塔の案内には基礎の四面に格狭間が掘られていると書かれていますが、写真の通りどう見ても1面は掘っていませんので、3面です。ここでも蚊に襲われます。 そして、同赤坂町内「イコーカ山古墳」の宝筐印塔です。こちらの案内には足利義昭の供養塔…と書かれていますが、様式の年代はそれより明らかに古いとのことでした。ここでも蚊が… 次にやはり赤坂町の艮(うしとら)神社裏山の宝篋印塔を訪れます。ところが、笹が生い茂り道なき道を進むことになりました。 藪の中には当然蚊が…しかしそんな中を調査します。相輪部分はバランスが明らかに不自然です。どうも近年にモルタルで整形されたようです。 最後に瀬戸町長和の石造物です。上部は後年の作ですが、基礎部は五輪塔の地輪です。これと隣の地蔵も中世のものだそうです。 以上で2日間の調査は終了です。2日目(24日)の天気は曇のち雨の予報でしたが、ちょうど調査終了と同時に降り始めるというギリギリセーフ。佐藤亜聖氏にはハードなスケジュールと過酷な環境の中での調査ありがとうございました! <スケジュール> 09:00 明王院層塔 09:40 熊野町宮氏一族宝筐印塔 10:20 金江町実蔵坊宝筐印塔 11:20 松永町高諸神社宝筐印塔 11:30 西藤町万福寺宝筐印塔 12:30 (昼食) 13:30 浄土寺石塔 14:00 西国寺石塔 14:20 福禅寺持倉氏石塔 15:20 赤坂八幡神社宝筐印塔 15:40 イコーカ山宝筐印塔 16:10 艮神社宝筐印塔 16:30 瀬戸町長和石造物 17:30 福山駅前着備後地方(広島県福山市)を中心に地域の歴史を研究する歴史愛好の集い