山田方谷の藩政改革と弟子たちについて

備陽史探訪:182号」より

岡田 宏一郎

網本氏の山田方谷についての著書の紹介と山田方谷に関した書物について

江戸時代も中期を過ぎると米中心の経済から商品経済、貨幣経済へと流れが変わってくる。するとどこの藩も米経済に頼っていたことから財政支出の増加も加わり、藩財政は赤字の累積によって慢性的な危機的状況が生まれてくる。そこで藩政改革に着手するが、そのつけは農民への年貢の強化(増税)、商人からの借金、藩札の乱発、特産物への専売制や質素倹約を強いるお触れ、などを行っている。その結果、天災なども重なり年貢の強化は農民にとって重い負担となって各藩で一揆が多発してくる。なかでも福山藩の「天明の一揆」はその大規模さでよく知られている。

武家社会では朱子学が中心思想で公認の学問であったから「利」を卑しみ、経済活動には武士階級は極力関わらなかったため、大きな成果を上げることが少なかった。だが藩政改革で成果を上げた藩主には「上杉鷹山」がおり、アメリカでも知られている。しかしそれよりも農民出身の儒学者である「山田方谷」については、全国的にあまり知られていない。わずか五万石の小藩の備中松山藩だが実質は2万石にすぎず、その上10万両の借財を抱えていたのを全部返済して、さらに10万両の蓄財を成し遂げた山田方谷の藩政改革の成果や教育・人材育成についてはもっと知ってほしいと思っている。だから地元の備中高梁を中心に「山田方谷を大河ドラマ」に取り上げてほしいと50万人もの署名が集まっているという事実に共鳴し納得するのである。

山田方谷の藩政改革の手腕には驚くべきものがあり、その根底には「至誠惻怛」(誠意を尽くし人を思いやる心)と「士民撫育」(すべては藩民のため)の精神があった。また塾を核にした教育に力をそそいだ情熱と方谷の教えを受けた弟子たちの功績については、現在の社会状況のなかで取り上げてほしいし、今日においても学ぶことが多く必要な人物だと思っている。だから網本氏の山田方谷についての著述と共に幾冊かの本について紹介して見たいと考えたのである。

山田方谷の偉大さを知ったのは『大名の家計簿』(角川SSC新書)の中に取り上げられている山田方谷について書かれている個所を読んでからである。そこからもっと深く知りたい、学びたいと思って山田方谷について書かれた書物を探した。そうしてまず最初に読んだのが『山田方谷の世界』(朝森 要 岡山文庫)である。この本は文庫であるが方谷についての記述だけでなく、史跡などの写真も多く、周辺の人物や史跡・弟子たちについて、また「熊田 恰」についても書かれている。こうしたことを契機にさらに詳しく知りたくなり、関連書を読み耽った。

さて、網本氏は「現代に生かす山田方谷の思想」(山田方谷研究会誌3 大学教育出版)の中に「いつも心に明鏡を―山田方谷に学ぶ―」と題した文を書いている。量的には10ページほどの文章であるが、簡潔で極めて分かりやすく、読者は納得することが出来る魅力的な内容であるから惹きつけられると思っているので、ぜひとも読んでほしい。

この中で、網本氏は山田方谷について三点を挙げている。 

  1. 藩校有終館での学者。
  2. 藩政改革をおこなった政治家。
  3. 多くの弟子を育てた教育者。

と考えている。と書いている。

また、この中にある「山田方谷の藩札刷新とアベノミクス」(シンポジウム)や「山田方谷の藩政改革と産業振興―事の外に立ちて事の内に屈せず―」などの内容も現在の社会、経済状況と考え、比べながら読んでいくと面白いと思うのでこれも注目すべき記述のところである。

しかし、自分は初めの内は藩政改革と財政改革に注目したが、方谷についての関連書を読んでいくうちに方谷の根幹をなすのは教育だと考えるようになった。

網本氏が書かれている「いつも心に明鏡を」の中に「山田方谷の戦略:思い切った政策の実践」として、野島透著『山田方谷に学ぶ財政改革』(明徳出版社)の中にある表を転載し掲載しているが、これが方谷について一目で理解できる最適な表であるから、これをしっかりと見て欲しい。(ここでは「入門 山田方谷 至誠の人」の表を掲載する) 終わりの項に山田方谷の言葉として「学問の道は誠意のみ」(師門問弁録)を掲載しているが、まさにその通りだと同感して心にしみたのである。

方谷の藩政改革が成功した理由(『入門 山田方谷 至誠の人』P65より)
方谷の藩政改革が成功した理由(『入門 山田方谷 至誠の人』P65より)

この内容から網本氏が山田方谷にかける熱い気持ちが伝わってくるからもっと読みたくなったのである。

さて最も手軽で読みやすくて楽しい方谷の歴史小説は?と聞かれたら『山田方谷の夢』(野島透 明徳出版)がいいだろう。同じ様な小説に童門冬二の『山田方谷』(人物文庫)もあり、小説家らしい内容なので読みやすいと思う。

方谷に魅せられた自分は10冊近く山田方谷についての本を読んだし、岡山県立博物館の山田方谷の展示企画展に行き山田方谷についての講演会にも参加した。講演者は二松学舎大学の教授で、方谷の高弟である「三島中州から見た山田方谷」についての話であった。真剣に聞いたのでよく理解できた。なお二松学舎大学は明治に三島中州が創立した漢学の専門学校であった。

ここで自分が読んだ山田方谷や弟子たちについて書かれた本の主なものを紹介したい。

本気で読むなら『炎の陽明学―山田方谷伝―』(矢吹邦彦 明徳出版社)が最適である。この本は著者の山田方谷に対する強い思いがみなぎっており、筆力ある文章にのめり込むと思う。ただ440ページと長いから根気が必要であるが、読ませるだけの内容があり感銘を受ける本だと思っている。この中には越後長岡藩の「河井継之助」も出てくるから興味が湧くかもしれない。

方谷の門人たちについては『山田方谷とその門人』(朝森 要 日本文教出版)がいいだろう。あの三島中州や進鴻渓、河井継之助、その他の門人たちについて書かれている。同じく『山田方谷ゆかりの群像』(明徳出版社)も、方谷に連なる人々として、井原の「阪谷朗盧」や玉島で見た旧宅の碑「川田甕江」、そして福山の「関藤藤陰」など方谷と交流があった人物が書かれているので読んでいくと知らなかった人脈が分かるかもしれない。

経済的な観点からなら『ケインズに先駆けた日本人―山田方谷伝―』(矢吹邦彦 明徳出版)がある。これも400ページ余りと分厚い本だが、本の帯には「山田方谷による奇跡の藩政改革は20世紀の天才ケインズの不況対策論に先立つ自作自演の革命だった」と書かれている。これは大変興味深い内容の本であるあるから経済に強い関心を持っている人には向いている本かもしれない。

そのほかに『山田方谷ゼミナール Vol.1』(山田方谷研究会 吉備人出版)も関心を持っている人には役立ち、興味深い内容の本である。

小生が真っ先に推薦したい本で分かりやすいのは次の本である。それが「山田方谷について様々な質問に対して答える形」で書かれている『入門 山田方谷 至誠の人』(山田方谷に学ぶ会 明徳出版社)である。内容は「Q &A」の形式になっていて疑問に対する答えが述べられているから極めて分かりやすく、まさに入門者向けの本である。その中に例えば「山田方谷とはどんな人?」の問い(Q)に関して、答え(A)が書かれている。「四歳で漢字を書いたって本当?」「最初の学問の師丸川松隠とはどんな人?」「世子(藩主)板倉勝静にどのような講義をしたのか?」「負債整理方策は?」「産業振興の方策は?」などなど知りたいこと、疑問になる事柄について納得いくような最適の解答が書かれている。また終りのページには「山田方谷関係史跡と顕彰施設の地図と写真」があるから役立つのである。とにかくまず手にして読んでもらいたい最適の本だと思っている。この本には網本善光氏も執筆・編集に関わっているのでさらに強く推薦したい。

かなり難解であるが本格的なものとして『山田方谷の思想と藩政改革』(樋口公啓 明徳出版社)がある。だがこれは著者の博士論文をベースにしたもので陽明学や漢詩についての部分が自分にとっては手こずった内容だった。陽明学や漢詩について知識を持っている人には向いている内容の本だと思っている。

読んだ本をもれなく紹介しているわけではないが、主なものについて紹介してみました。

おまけとして、司馬遼太郎の「峠一」(司馬遼太郎全集19)の中に河井継之助について山田方谷との出会いについて書かれている箇所がある。興味深い描写だ。長編歴史小説のため読むのには根気がいるが、面白いからそれほどでもないと思う。その中の「備中松山」章の最後にこんな場面がある

別れる朝、継之助は門を辞し、丸木の橋を渡って対岸の街道に出た。方谷は門前で見送っていた。継之助は路上に土下座し、高梁川の急流をへだてて師匠の小さな姿をふしおがんだ。この諸事、人を容易に尊敬することのない男がいかに師匠とはいえ土下座したのは生涯で最初で最後であろう

と劇的な場面を描いている。河井継之助については戊辰戦争など興味深い歴史的な話が書かれているので読むと楽しさが広がるのではないだろうか?

最後に蛇足かもしれないが、岩波新書の『読書力』(齊藤 孝)の一言を引用し終わりたいと思う。

その中に

読書は一定の精神の緊張を伴う。この適当の緊張感が充実を生む。読書は、一人のようで一人ではない。本に書いてある人との二人の時間である。

と著者は言っている。だから山田方谷についての書物を読んで行くうちに、そこから強い刺激を受けたしまた感銘もしたのである。ということで、網本氏も方谷について書かれているし、自分も方谷について紹介したい気持ちで、会員のみなさんに山田方谷について気に入った内容の本を手にして読んで欲しいとの願いから紹介したのである。

山田方谷の藩政改革と弟子たちについて(どの本を買うか迷った方にオススメ書籍をご紹介)https://bingo-history.net/wp-content/uploads/2017/05/d17f18215fdeacab424b1a56d80d56c3.pnghttps://bingo-history.net/wp-content/uploads/2017/05/d17f18215fdeacab424b1a56d80d56c3-150x100.png管理人近世近代史「備陽史探訪:182号」より 岡田 宏一郎 網本氏の山田方谷についての著書の紹介と山田方谷に関した書物について 江戸時代も中期を過ぎると米中心の経済から商品経済、貨幣経済へと流れが変わってくる。するとどこの藩も米経済に頼っていたことから財政支出の増加も加わり、藩財政は赤字の累積によって慢性的な危機的状況が生まれてくる。そこで藩政改革に着手するが、そのつけは農民への年貢の強化(増税)、商人からの借金、藩札の乱発、特産物への専売制や質素倹約を強いるお触れ、などを行っている。その結果、天災なども重なり年貢の強化は農民にとって重い負担となって各藩で一揆が多発してくる。なかでも福山藩の「天明の一揆」はその大規模さでよく知られている。 武家社会では朱子学が中心思想で公認の学問であったから「利」を卑しみ、経済活動には武士階級は極力関わらなかったため、大きな成果を上げることが少なかった。だが藩政改革で成果を上げた藩主には「上杉鷹山」がおり、アメリカでも知られている。しかしそれよりも農民出身の儒学者である「山田方谷」については、全国的にあまり知られていない。わずか五万石の小藩の備中松山藩だが実質は2万石にすぎず、その上10万両の借財を抱えていたのを全部返済して、さらに10万両の蓄財を成し遂げた山田方谷の藩政改革の成果や教育・人材育成についてはもっと知ってほしいと思っている。だから地元の備中高梁を中心に「山田方谷を大河ドラマ」に取り上げてほしいと50万人もの署名が集まっているという事実に共鳴し納得するのである。 山田方谷の藩政改革の手腕には驚くべきものがあり、その根底には「至誠惻怛」(誠意を尽くし人を思いやる心)と「士民撫育」(すべては藩民のため)の精神があった。また塾を核にした教育に力をそそいだ情熱と方谷の教えを受けた弟子たちの功績については、現在の社会状況のなかで取り上げてほしいし、今日においても学ぶことが多く必要な人物だと思っている。だから網本氏の山田方谷についての著述と共に幾冊かの本について紹介して見たいと考えたのである。 山田方谷の偉大さを知ったのは『大名の家計簿』(角川SSC新書)の中に取り上げられている山田方谷について書かれている個所を読んでからである。そこからもっと深く知りたい、学びたいと思って山田方谷について書かれた書物を探した。そうしてまず最初に読んだのが『山田方谷の世界』(朝森 要 岡山文庫)である。この本は文庫であるが方谷についての記述だけでなく、史跡などの写真も多く、周辺の人物や史跡・弟子たちについて、また「熊田 恰」についても書かれている。こうしたことを契機にさらに詳しく知りたくなり、関連書を読み耽った。 さて、網本氏は「現代に生かす山田方谷の思想」(山田方谷研究会誌3 大学教育出版)の中に「いつも心に明鏡を―山田方谷に学ぶ―」と題した文を書いている。量的には10ページほどの文章であるが、簡潔で極めて分かりやすく、読者は納得することが出来る魅力的な内容であるから惹きつけられると思っているので、ぜひとも読んでほしい。 この中で、網本氏は山田方谷について三点を挙げている。  藩校有終館での学者。 藩政改革をおこなった政治家。 多くの弟子を育てた教育者。 と考えている。と書いている。 また、この中にある「山田方谷の藩札刷新とアベノミクス」(シンポジウム)や「山田方谷の藩政改革と産業振興―事の外に立ちて事の内に屈せず―」などの内容も現在の社会、経済状況と考え、比べながら読んでいくと面白いと思うのでこれも注目すべき記述のところである。 しかし、自分は初めの内は藩政改革と財政改革に注目したが、方谷についての関連書を読んでいくうちに方谷の根幹をなすのは教育だと考えるようになった。 網本氏が書かれている「いつも心に明鏡を」の中に「山田方谷の戦略:思い切った政策の実践」として、野島透著『山田方谷に学ぶ財政改革』(明徳出版社)の中にある表を転載し掲載しているが、これが方谷について一目で理解できる最適な表であるから、これをしっかりと見て欲しい。(ここでは「入門 山田方谷 至誠の人」の表を掲載する) 終わりの項に山田方谷の言葉として「学問の道は誠意のみ」(師門問弁録)を掲載しているが、まさにその通りだと同感して心にしみたのである。 この内容から網本氏が山田方谷にかける熱い気持ちが伝わってくるからもっと読みたくなったのである。 さて最も手軽で読みやすくて楽しい方谷の歴史小説は?と聞かれたら『山田方谷の夢』(野島透 明徳出版)がいいだろう。同じ様な小説に童門冬二の『山田方谷』(人物文庫)もあり、小説家らしい内容なので読みやすいと思う。 方谷に魅せられた自分は10冊近く山田方谷についての本を読んだし、岡山県立博物館の山田方谷の展示企画展に行き山田方谷についての講演会にも参加した。講演者は二松学舎大学の教授で、方谷の高弟である「三島中州から見た山田方谷」についての話であった。真剣に聞いたのでよく理解できた。なお二松学舎大学は明治に三島中州が創立した漢学の専門学校であった。 ここで自分が読んだ山田方谷や弟子たちについて書かれた本の主なものを紹介したい。 本気で読むなら『炎の陽明学―山田方谷伝―』(矢吹邦彦 明徳出版社)が最適である。この本は著者の山田方谷に対する強い思いがみなぎっており、筆力ある文章にのめり込むと思う。ただ440ページと長いから根気が必要であるが、読ませるだけの内容があり感銘を受ける本だと思っている。この中には越後長岡藩の「河井継之助」も出てくるから興味が湧くかもしれない。 方谷の門人たちについては『山田方谷とその門人』(朝森 要 日本文教出版)がいいだろう。あの三島中州や進鴻渓、河井継之助、その他の門人たちについて書かれている。同じく『山田方谷ゆかりの群像』(明徳出版社)も、方谷に連なる人々として、井原の「阪谷朗盧」や玉島で見た旧宅の碑「川田甕江」、そして福山の「関藤藤陰」など方谷と交流があった人物が書かれているので読んでいくと知らなかった人脈が分かるかもしれない。 経済的な観点からなら『ケインズに先駆けた日本人―山田方谷伝―』(矢吹邦彦 明徳出版)がある。これも400ページ余りと分厚い本だが、本の帯には「山田方谷による奇跡の藩政改革は20世紀の天才ケインズの不況対策論に先立つ自作自演の革命だった」と書かれている。これは大変興味深い内容の本であるあるから経済に強い関心を持っている人には向いている本かもしれない。 そのほかに『山田方谷ゼミナール Vol.1』(山田方谷研究会 吉備人出版)も関心を持っている人には役立ち、興味深い内容の本である。 小生が真っ先に推薦したい本で分かりやすいのは次の本である。それが「山田方谷について様々な質問に対して答える形」で書かれている『入門 山田方谷 至誠の人』(山田方谷に学ぶ会 明徳出版社)である。内容は「Q &A」の形式になっていて疑問に対する答えが述べられているから極めて分かりやすく、まさに入門者向けの本である。その中に例えば「山田方谷とはどんな人?」の問い(Q)に関して、答え(A)が書かれている。「四歳で漢字を書いたって本当?」「最初の学問の師丸川松隠とはどんな人?」「世子(藩主)板倉勝静にどのような講義をしたのか?」「負債整理方策は?」「産業振興の方策は?」などなど知りたいこと、疑問になる事柄について納得いくような最適の解答が書かれている。また終りのページには「山田方谷関係史跡と顕彰施設の地図と写真」があるから役立つのである。とにかくまず手にして読んでもらいたい最適の本だと思っている。この本には網本善光氏も執筆・編集に関わっているのでさらに強く推薦したい。 かなり難解であるが本格的なものとして『山田方谷の思想と藩政改革』(樋口公啓 明徳出版社)がある。だがこれは著者の博士論文をベースにしたもので陽明学や漢詩についての部分が自分にとっては手こずった内容だった。陽明学や漢詩について知識を持っている人には向いている内容の本だと思っている。 読んだ本をもれなく紹介しているわけではないが、主なものについて紹介してみました。 おまけとして、司馬遼太郎の「峠一」(司馬遼太郎全集19)の中に河井継之助について山田方谷との出会いについて書かれている箇所がある。興味深い描写だ。長編歴史小説のため読むのには根気がいるが、面白いからそれほどでもないと思う。その中の「備中松山」章の最後にこんな場面がある 別れる朝、継之助は門を辞し、丸木の橋を渡って対岸の街道に出た。方谷は門前で見送っていた。継之助は路上に土下座し、高梁川の急流をへだてて師匠の小さな姿をふしおがんだ。この諸事、人を容易に尊敬することのない男がいかに師匠とはいえ土下座したのは生涯で最初で最後であろう と劇的な場面を描いている。河井継之助については戊辰戦争など興味深い歴史的な話が書かれているので読むと楽しさが広がるのではないだろうか? 最後に蛇足かもしれないが、岩波新書の『読書力』(齊藤 孝)の一言を引用し終わりたいと思う。 その中に 読書は一定の精神の緊張を伴う。この適当の緊張感が充実を生む。読書は、一人のようで一人ではない。本に書いてある人との二人の時間である。 と著者は言っている。だから山田方谷についての書物を読んで行くうちに、そこから強い刺激を受けたしまた感銘もしたのである。ということで、網本氏も方谷について書かれているし、自分も方谷について紹介したい気持ちで、会員のみなさんに山田方谷について気に入った内容の本を手にして読んで欲しいとの願いから紹介したのである。備後地方(広島県福山市)を中心に地域の歴史を研究する歴史愛好の集い
備陽史探訪の会近世近代史部会では「近世福山の歴史を学ぶ」と題した定期的な勉強会を行っています。
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