祝「福山古墳ロード」完成(Aコース:近田~服部大池)

備陽史探訪:135号」より

田口 義之

二子塚古墳の見学
二子塚古墳の見学
 

去る三月二十五日(日曜日)、我々の会が昨年八月から進めていた「福山古墳ロード」服部Aコースの完成記念行事が、JR福塩線近田駅前で盛大に行われた。八時三十五分、開会宣言に続いて開会の挨拶、総合案内板の除幕式、テープカツトの後、約一七〇名の参加者は四組にわかれ、古墳ロードの歩き初めを行った。週間天気予報で「雨」を宣告され、一同やきもきしていたが、天候は良い方に急転し、雨は夜明け前には止み、昼前から日本晴れとなった。参加者の案内は神谷名誉会長を先頭に会員で行い、お昼までには服部大池に到着する予定が、説明に熱が入ったためか、最後の班の到着は一時近くになってしまった。午後は、会場を「中島老人集会所」に移し、篠原会員によるコースの古墳に関する講演会を実施した。こちらも会場は人で溢れ、盛況であった。

そもそも今回の事業は、我々が長年温めてきた夢を、福山市の協力を得て実施したものである。今から二十五年前の五月五日(子供の日)、創立間もない我会は、市教委の後援を得て、第一回の「親と子の古墳めぐり」を近田駅から服部大池周辺までのコースで実施した。まだ会員数が五〇名ほどの時代で、何度も会合を重ね、試行錯誤の末の決行であった。幸い一二〇名の参加者を集めて無事に終えることが出来た。終了後、駅前の「養老の滝」で打ち上げをし、店のテレビに映った自分たちの姿に感激をして、万歳三唱したのがつい昨日のように思い出される。以来、この行事は毎年途切れることなく実施され、今年で二五回目の記念すべき年を迎えた。

「古墳ロード」の構想はこの「親と子の古墳めぐり」から自然に発想されたものである。一五年前には「古墳めぐり」のコースを紹介した書籍『古墳探訪』を発刊した。『古墳探訪』のコースを実際に目に見えるように整備したのが今回の「福山古墳ロード」である。書物を手に古墳や城跡を散策するのは中々難しいものだ。私が初めて駅家町の二子塚を訪ねた時も、探すのに一時間以上かかった。こうした時、道標や説明板・案内板があれば、誰でも迷うことなく、日的の古墳を訪ねることが出来る。古墳や史跡が身近なものになれば、地域の歴史に愛着も湧き、無茶に古墳や城跡を壊すこともなくなるだろう。「周知」というのは文化財の保存にとって、とても大切なことなのだ。今回はルートの標識の整備と共に案内パンフレツトも五万部印刷した。一人でも多くの方にパンフレツトを手にこのコースを歩いてもらいたいと思っている。なお、今回の古墳ロード整備事業は、これで終わりではない。残りの半分の整備が残っている。今後ともより一層のご協力。ご支援をお願いしたい。

https://bingo-history.net/wp-content/uploads/2007/04/73c9c30a7bd3bfe6a8abd29a7a65f0c5.jpghttps://bingo-history.net/wp-content/uploads/2007/04/73c9c30a7bd3bfe6a8abd29a7a65f0c5-150x100.jpg管理人紀行・随筆「備陽史探訪:135号」より 田口 義之   去る三月二十五日(日曜日)、我々の会が昨年八月から進めていた「福山古墳ロード」服部Aコースの完成記念行事が、JR福塩線近田駅前で盛大に行われた。八時三十五分、開会宣言に続いて開会の挨拶、総合案内板の除幕式、テープカツトの後、約一七〇名の参加者は四組にわかれ、古墳ロードの歩き初めを行った。週間天気予報で「雨」を宣告され、一同やきもきしていたが、天候は良い方に急転し、雨は夜明け前には止み、昼前から日本晴れとなった。参加者の案内は神谷名誉会長を先頭に会員で行い、お昼までには服部大池に到着する予定が、説明に熱が入ったためか、最後の班の到着は一時近くになってしまった。午後は、会場を「中島老人集会所」に移し、篠原会員によるコースの古墳に関する講演会を実施した。こちらも会場は人で溢れ、盛況であった。 そもそも今回の事業は、我々が長年温めてきた夢を、福山市の協力を得て実施したものである。今から二十五年前の五月五日(子供の日)、創立間もない我会は、市教委の後援を得て、第一回の「親と子の古墳めぐり」を近田駅から服部大池周辺までのコースで実施した。まだ会員数が五〇名ほどの時代で、何度も会合を重ね、試行錯誤の末の決行であった。幸い一二〇名の参加者を集めて無事に終えることが出来た。終了後、駅前の「養老の滝」で打ち上げをし、店のテレビに映った自分たちの姿に感激をして、万歳三唱したのがつい昨日のように思い出される。以来、この行事は毎年途切れることなく実施され、今年で二五回目の記念すべき年を迎えた。 「古墳ロード」の構想はこの「親と子の古墳めぐり」から自然に発想されたものである。一五年前には「古墳めぐり」のコースを紹介した書籍『古墳探訪』を発刊した。『古墳探訪』のコースを実際に目に見えるように整備したのが今回の「福山古墳ロード」である。書物を手に古墳や城跡を散策するのは中々難しいものだ。私が初めて駅家町の二子塚を訪ねた時も、探すのに一時間以上かかった。こうした時、道標や説明板・案内板があれば、誰でも迷うことなく、日的の古墳を訪ねることが出来る。古墳や史跡が身近なものになれば、地域の歴史に愛着も湧き、無茶に古墳や城跡を壊すこともなくなるだろう。「周知」というのは文化財の保存にとって、とても大切なことなのだ。今回はルートの標識の整備と共に案内パンフレツトも五万部印刷した。一人でも多くの方にパンフレツトを手にこのコースを歩いてもらいたいと思っている。なお、今回の古墳ロード整備事業は、これで終わりではない。残りの半分の整備が残っている。今後ともより一層のご協力。ご支援をお願いしたい。備後地方(広島県福山市)を中心に地域の歴史を研究する歴史愛好の集い